理念1
理念2

お役立ちは命の喜び

川畑:清水さんが前に「ケアとは、相手の生きる意味を大きくしているけれども、自分の生きる意味も大きくしてもらえる」とおっしゃってくださいました。まさしく、お得意様担当の仕事に就く職員は、そういう風にお客様をケアすることによって、逆に自分も日々お客様にケアされている、何かそんなことを感じるんですよね。ですから一人ひとりが仕事を通してステキになっていくというか。
理念3
清水:病気をしてみて分かるんですけど、病気をすると人の世話になるばっかりですよね。だからこそ誰かの世話をしたいとか、喜ばせたいとか、役に立ちたいとすごく思うんです。世話になったり、人の厄介になるばかりだと、すごく気兼ねするんで、逆に人の世話をしたり、人の役に立ったり、人を喜ばせたりすることが、いかに生きる喜びになることかが分かります。
川畑:そうですよね。おっしゃるように本当の喜びというのは、人の奉仕を通じてしか感じられないんじゃないでしょうか。ですから、人のお役に立って初めて自分の心が喜ぶ、命が喜ぶっていうんですかね。私も何かそんなことを職員を見てすごく感じます。
清水:仕事ってありがたいと思いますよ。
川畑:本当にそうですね。
清水:それと仕事をすることは、社会とつながるということですよね。病気をしていると社会とつながれないですから。人とつながるとか、社会とつながることがやっぱり喜びですよね。
川畑:仕事というのは社会の窓口ですよね。おっしゃるように、仕事を通して社会とのつながりを感じるというか。働いて収入を得ることで、自分を誇りに思えるというか、自分を尊重できるというか。やっぱり働いてお役に立って、収入を得るということほど、素晴らしいものはないんじゃないかな。

不完全を受容する

理念4
清水:30代の頃に、『ソニーは人を生かす』という本で有名になった小林茂さんの話を聞いたことがあるんです。素晴らしい人間的経営で、ソニーの厚木工場を見事に立て直した有名な方なんですけど。この人がですね、最初、厚木工場に入って大変人間的な経営をするんですけども、反対勢力があるわけです。3人ほど協力に反対する人がいるんです。ところが、小林さんが辞めた後、人間的経営の文化がガタガタと崩れるんです。その時に守ったのが、その反対した3人だったそうです。そんな話を今、思い出しました。
川畑:なるほど。私は会社の中も多様性がある方が絶対に楽しいし、実は強いんじゃないかと思います。
清水:「多様性」というのもキーワードですね。
川畑:そうですね。そういう意味ではジェネレーションギャップというか、高齢者と若年層など、世代間の多様性だったり、男と女、健常と障がい、企業の中も多様性がある方が、イキイキとして楽しい。ややもすると隔離しちゃうところがありますが、多様性を大事にした方が企業はもちろん、社会もいい社会ができるんじゃないかと思います。
清水:ちゃんとバランスをとりながら。ところが往々にして、画一的にしがちですもんね。
川畑:どうしてそういうものが生まれてきたんでしょうね。
清水:やっぱり管理しやすいからなんでしょうね。
川畑:なるほど。でも、一時的にはいいかもしれませんけれど、長いスパンで見た時には、管理しやすい組織というのは……。
清水:生命的に言うと、転びやすいですよね。
川畑:そうですね。今、かなり自信のない人たちが多いんですよね、若者なんかも。
清水:多いと思います。だから結婚に踏み切れない人が多い。自信がないから。
川畑:自分を信頼してないし、自分に自信がない。本来、命の本質というものは不完全だし、私も○もあれば×もある、あなたも○もあれば×もある、皆○もあれば×もある。だから命の本質とは死ぬまで不完全。不完全な人同士、お互いにつながりあっていい社会をつくっていこうと。命の重さは人と比較するような、そんな軽々しいものじゃない。皆、目と鼻と口はあるけれど顔が違うように、本当は皆ちがって、皆いい。ですから不完全なままの自分を愛せるし、不完全なものを受容していける。今のままの自分でいいんだよ、「いのちは前向きな不完全さ」。そこからがスタートだと思うんです。そうするともっと自分が好きになれて、愛せる。

いい社会をつくるために

理念5
川畑:今、おかげさまで全国に響き合う人たちが少しずつ増えてきました。その元となっているのは清水さんとの出会いからで、特に「降りていく生き方」という言葉は、私の人生の中で珠玉の言葉っていうんですか、私に最も影響を与えてくれた言葉です。その言葉を大事にしながらこれからもいい会社というよりも、いい社会をつくっていきたい。そのために、私たちの企業理念は、大きく出たなと言われるんですけども、「私たちは地球上に住むすべての人々が健康で平和に暮らせる社会をつくるため」。目的がいい社会をみんなでつくっていこうよ。ですから、自分の仕事さえやっていればいいという人はうちの理念に合わないから一緒に仕事はできないよ。いい社会をつくっていこうという想いがある人じゃないと一緒に仕事ができないという。それで、「みんなで力を合わせて、働きがいのある楽しい職場環境を創る」。みんなで力を合わせて、そのために働きがいのある職場環境をつくる。そして「お役立ちの喜びを実践しています」。仕事っていうのは、お役立ちの喜びなんだ。そういう企業理念の実現のために、いい社会をつくっていくために、いろんな方と一緒になって、これからもいい仕事ができたらいいなぁと考えています。また、ご指導をよろしくお願いいたします。
清水:こちらこそ。でも、今の理念なら世界と手が組めるからいいですね。
川畑:そうですね。どんな小さな企業でも社会を変える力を持っている、日本を変える力を持っている。ですから、企業の規模じゃない。私たちみたいな小企業であっても世の中の真の目的と私たちの理念が一致しているならば、たぶん社会も世界も変えていける。一企業の力、小企業の力、中小企業の力というのは、微力かもしれないけれど無力ではない。だからそういう力を持っているんだという想いを持って、事業経営をしていきたいと考えています。

あとがき

私たちの企業理念の目指すところは世界平和です。
「地域づくりは仕事づくり、雇用づくりは暮らしづくり」。その土地の人がその土地で暮らせる地域社会をつくるため、
お得意様から、働いている職員がみんな明るくて親切で「いい会社だね」と言っていただけるような会社を目指しています。
人間の本性(遺伝子が最も喜ぶ)は、人を助けることを最大の喜びとします。人の幸福を願い本気で働いている人は、みんな幸せでみんな元気です。「日本一楽しくて長い朝礼」で有名になり、朝礼研修に全国からたくさんの方が来沖されます。働く社員全員が月曜日の朝に出社するのが楽しい会社。一人ひとりのいのちが輝いて素敵な人生を歩んでいる人たちの集団。健常と障がい、正社員とパートの枠組みを越えて、「共に学び、共に育ち、共に働き、共に生きる」和道社会の実現を目指して、私たちはみんなで力を合わせて働きがいのある楽しい職場環境をつくり、お得意様から「生きる希望を届けてくれてありがとう!」が溢れている会社を実現するために、お役立ちの喜びを実践しています。

川畑保夫

『企業文化カタログ』より(2009年発行)

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